01「ペット別」間取り・設計アイデア
ひとまとめにペットと言っても、種類ごとの習性や行動範囲はもちろん、個々の体格や性格も異なります。
ペットが自由に活動でき、ご家族も安心して見守れる環境を整えるためには、まずペットの特性や行動パターンを考慮しながら、
個性に合わせた空間づくりを検討していきましょう。
犬と暮らす住まい
犬は、ご家族とのつながりやスキンシップを大切にするため、一緒に過ごせる空間やいつでもお互いが見える間取りを確保することが大切です。
また、室内を自由に動き回ったり、くつろいだりできるよう、小型犬から大型犬のサイズに合わせた動線や居場所を整えておきましょう。
愛犬の運動・遊びに最適な回遊できる間取りやドッグランのような広いスペース、バルコニーのある住まいもおすすめです。
まず、毎日の生活に「散歩」が欠かせなくなるため、玄関まわりの動線や収納設計が大切です。散歩帰りの足洗いスペースやリードなどのアイテムがまとめて置いておける収納を玄関近くに配置することで、外からの汚れやニオイを室内に持ち込まずに済みます。また、屋内では愛犬が走り回って、滑って怪我をしたり足腰に負担がかかったりしないよう、ペット専用のフローリングや犬種に合う床材を検討しましょう。なお、聴力が鋭い犬にとっては、家電製品や電子機器の音、ドアの開閉音などがストレスの原因となる可能性があるため、キッチンや水回りから離れた静かなエリアに居場所をつくってあげることで、ご家族の留守中や来客時も安心して過ごせます。
猫と暮らす住まい
猫は、高い場所を行き来したり日向ぼっこをしたりと、家の中でも自由な過ごし方を好みます。
また、なわばり意識が強く、狭くて暗い場所にも入り込む習性があるため、愛猫の遊び場や隠れ場所をつくる場合は、コンセントやコードなどのいたずら対策、ドアの安全対策にも配慮が欠かせません。
自由に動き回れる環境を好む一方、自分だけの落ち着ける場所も大切にするため、毎日ストレスなく健康に過ごせるよう、キャットウォークやキャットタワーの設置、日光浴やお昼寝にいい窓辺の猫専用スペースを検討してみましょう。ただし、夜間も活動的な愛猫の行動がご家族の睡眠を妨げないよう、寝室とキャットウォークの移動ルートを離しておくのもポイントです。また、滑りにくく爪とぎにも強い床材や柱、壁の導入、ご家族の生活・家事・来客動線から離れた、「落ち着ける場所」に猫用トイレの設置を計画することもお互いが気持ちよく過ごすために有効です。なお、将来的に頭数が増える可能性がある場合は、それぞれのなわばりに配慮したトイレ数や配置場所をあらかじめ想定しておきましょう。
小動物と暮らす住まい
人懐っこくてかわいい、うさぎ・ハムスター・フェレット・モルモットといった小動物やインコ・文鳥などの鳥をペットとして飼う方も多くいらっしゃいます。
体が小さく繊細な小動物を飼育する場合は、急激な温度変化や突発的な音でストレスを感じないよう配慮した家づくりが大切です。
特に、体温調節が難しい小型ペットの場合は、安定した気温や湿度の管理が欠かせません。
また、小動物や鳥の場合はケージで過ごす時間が長い分、お世話や掃除がしやすく、いつでも必要な時に触れ合える快適な飼育環境を検討しましょう。
小動物の場合は、ケージ内で過ごす時間が長いため、エアコンの風や直射日光が当たらない場所やテレビ・スピーカーからの音・振動が届かない部屋の確保が必要です。散歩や掃除の際、ケージから出てコードをかじったり、すき間に迷い込んだりしないよう、安全な遊び場や物が散らかりにくい環境づくり、またペットが入り込みそうな場所をあらかじめ対策しておくのもポイントです。特に、ケージまわりは水拭きしやすい床材やペットのいたずら防止のためにコンセントの高さ、コードの格納カバーなどを検討しておきましょう。また、ご家族の就寝時に、ペットの鳴き声や物をかじる音、回し車の音が気にならないよう、部屋のレイアウトや建具の防音仕様にこだわって音の反響を抑えましょう。
爬虫類+両生類と暮らす住まい
トカゲ・ヘビ・カメといった爬虫類やカエル・イモリ・オオサンショウウオなどの両生類は、ユニークな見た目が魅力で、初心者やマンションでも飼いやすい人気のペットです。
爬虫類や両生類は、種類によって生態が異なるため、ペットの大きさや習性に合わせた飼育環境を選ぶ必要があります。
日常的な散歩やスキンシップが不要で、近隣トラブルになりにくい静かなペットですが、ケージからの脱走を防止するための対策は講じておきましょう。
爬虫類や両生類、魚類を飼育する場合は、生態に適した温度・湿度、照明管理が必要になるため、設置場所と電源計画を同時に設計することが大切です。例えば、魚類に必要なエアレーションや照明のコンセントの数・位置をあらかじめ確認しておけば、配線の露出も避けられます。自然の生態系を再現した「ビオトープ」を楽しむためのテラリウムやアクアテラリウムをつくるなら、壁に開口部を設けて、水槽を埋め込み「水族館」のような鑑賞スペースを設計するのもおすすめです。なお、重量のある水槽を設ける場合は、設置床の補強や水に強いパネル壁の設置、メンテナンスのしやすさにも配慮した背面設計が欠かせません。また、ペットの種類によっては、脱走を避けるための施錠・管理方法にも注意して、マンションでも安心して飼育できる環境を整えましょう。
